営業日カレンダー
全国コウノトリ飛来情報
コウノトリ市民科学
目撃情報
スケジュール
戸島湿地便り
ククヒ湿地より
代表のつぶやき
活動報告
広報誌パタパタ
湿地ネットの概要
リンク集
お問い合わせ
ブログ カレンダー
« « 2018 10月 » »
30 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31 1 2 3
最新のエントリ
コウノトリ湿地ネットブログのトップへ
ログイン
ユーザ名:

パスワード:



パスワード紛失

コウノトリ湿地ネットブログ - moriさんのエントリ

12月16日(木曜日)の午後
コウノトリ郷公園の山岸哲園長さんと安冨良雄副園長さん
江崎保男研究部長さんがお越しくださいました。

山岸園長さんは10月15日に県立コウノトリの郷公園の園長に就任され
研究のご専門は、動物生態学です。
日本鳥学会会長や京都大教授などを歴任され
平成14年、山階鳥類研究所所長を経て
今年4月からは名誉所長を務めておられます。
コウノトリの郷公園 の設立前から保護や繁殖対策について研究・指導をされ、
17年には初めての試験放鳥へと導かれた、豊岡には縁の深い研究者です。

著書もたくさんあり、その中の一部をご紹介
左下は、鳥類学の全体像をわかりやすく紹介した世界的な名著です。
右下は、絶滅が危惧される個々の種に関して、
    保護のための具体的課題と方策が明らかにされています。


江崎研究部長さんは、
兵庫県立大学自然・環境科学研究所教授、
同大学の環境人間研究科教授で、専攻は動物生態学、動物社会学です。



 著書には
左上は、生き物たちの意外な連鎖や協同の実態を具体的に紹介しながら、
     ドラマに満ちた生態系のしくみをやさしく解説されています。
右上は、近畿7府県にすむ在野の研究者が協力してつくり上げられた鳥類RDBです。

安冨良雄副園長さんは、しっかりと事務方を支えておられます。

皆さんは寒いなか、湿地内を1時間かけて歩かれ、じっくり観察されていました。
管理棟内では、今年の繁殖のビデオを見ていただき
佐竹代表と歓談。
コウノトリに纏わる歴史や、豊岡の昔の暮らしぶりの話から
早速に資料を手配され
研究者として、
佐竹代表がお伝えすることをひとつずつ、まとめていっておられるようでした。

園長さんは
「世界中で、野生復帰に携わっている研究者を豊岡に集めて学会を開きたい」とおっしゃり
地道に研究しておられる方たちが、一同に豊岡に集う・・・なんて素敵なんでしょう。
「教育と医療が整うと、町は栄える」とよく言われていますが、
山岸園長さん、江崎研究部長さんをはじめ
コウノトリ郷公園の研究者の皆さんを目標に
豊岡の子供たちは育ってくるのでしょう。

豊岡の確かな未来へ
コウノトリ悠然と舞う豊岡の空へ
私たち市民の担えるところは・・・

もっと、もっとお話を伺いたかったです。
どうぞ、よろしくお願い致します。

せっかくお越しいただいたのに・・・緊張して・・・写真を撮ることが出来ませんでした。
残念。



12月11日、コウノトリの郷公園の隣村、
豊岡市法花寺地区の岩下勇さんが亡くなられました。
83歳でした。
 
 法花寺地区には、現在の漫才の起源といわれる門付け万歳が伝承されています。
江戸時代後期から農閑期の出稼ぎとして始まったようで、
かつてはいくつかのグループで丹後、丹波地方まで門付けにまわったとのことです。
 漫才の演者は太夫(たゆう)と才若(さいわか)の2人で、
今の漫才で言うと太夫がツッコミで才若がボケとなります。
それに三味線の伴奏が加わって、七五調の文句で巧みに掛け合いながら踊るのですが、
岩下さんは才若の演者として右に出る者なしの名人でした。
とぼけた口調で述べ、鼓を打ちながら踊られる様は、
なんともユーモラスで品があり、見る者をぐいぐいと引きつけられたものでした。

 
「法花寺万歳を演じる岩下さん(右)」
 
 私は、教育委員会の当時、
法花寺万歳は文化財(兵庫県指定)として職務の対象でしたが、
コウノトリと同じようにその魅力にはまっていました。
岩下さんは保存会の会長として後輩の指導にも力を注がれていましたが、
練習時や普段の会話の中でも
イライラされたり叱責されるような場面に出くわしたことはありません。
裏表のない実に穏やかな方で、じんわりと器の大きさを感じたものです。
 
 通夜のとき、息子さんが
「今までに見たことのないような穏やかな死に顔でした」と述べられていました。
穏やかな方が最上の安らぎを得て逝かれたのでしょう。
 
 私の中に、これからもずっと残る人です。


 
12月12日(日曜日)の午前
近畿大学農学部環境管理学科の細谷和海教授がお越しくださいました。

細谷先生のご専門は魚類学で、
特に、進化系統、解剖、系統分類学や
外来種、自然保護に関連する分野を
生物多様性を重視する立場から研究され
水田生態学や自然人類学
さらに、保全分類学という新たな学問領域の創出を目指して研究を進めておられます。
これまでに、日本の淡水魚の各種図鑑、
希少種保護、外来種問題に関する書籍などを出版されています。


 
先生は昨日、
近畿大学校友会但馬支部 地域貢献事業の
『日本の自然を考える 講演会』の講師として招かれ
「守ろう!日本の淡水魚」と題して講演されました。
日本の農業を守らなければならないこと
日本が古来から守ってきた里山・里地の大切さを話され、
日本の淡水魚の四分の一が、絶滅の危機に瀕していて
ブラックバスなどの外来魚が、生態系を変えてしまっていること。
ブラックバスは10万の卵を産み、オスが子供を守るため生存率が高く、増え続けることや
 池にブラックバスを放流することは、
ニワトリ小屋の中にイタチを入れるようなものだなど
外来種の問題も、分かりやすく説明してくださいました。
近畿大学バスバスターズの顧問として活動されている先生は、
「近畿大学バスバスターズ豊岡支部を作られたら」と提案されました。



管理棟では、戸島湿地での取り組みや
日本経団連の助成をいただいて進めている
田結地区での取り組みの様子を、佐竹代表が伝えました。
西浦君は、試験中とのことでしたが・・・
管理棟にやって来て、熱心に話を聞きメモを取って勉強していました。

先生とお話させていただき
自然保護は、ステップワイズに考え
第一段階としては、自然へ誘い
生きものの美しさや儚さを通して、関心をもち保護していく・・・
教育投資も必要で、何が目的かをはっきりさせることの必要性を教えていただき
私が悩んでいたことへの答えが見つかりました。
「生物の多様性は、自然を保護すること保全することと繋がっているが
自然界に対しては、人間の価値観を導入すべきではない」と言われたことを
これからは、心に留めておこうと思います。

 
野外のコウノトリを見ていた後の帰り道、
後ろ髪を引かれるような気持ちになったことがありませんか? 
どうも、彼(彼女)がこの後どうなのか心配になるのです。
「居ても立ってもいられない」とまではいかなくとも、
心の隅で気にかかって仕方ないようになれば、
あなたはきっちりと「コウノトリ病」にかかってしまいました。
 
 私も経験があります。
2002年の2月に安来市で、
豊岡に飛来してくる前のハチゴロウを同僚と一緒に見ていたときのことです。
2時間以上探し回って、やっと見つけた彼は水路で餌を探していました。
そこには餌生物がいないらしく、田んぼに移動しました。
しかし、そこにも生きものは見つからないようです。
少し離れた所にはコハクチョウの集団が居て、
仲間とキャピキャピ言いながらおいしそうに餌を食べています。
コウノトリはと言うと、一人(羽)さみしく餌を探し、ポツンと立ってはあたりを見回しています。
やがて日が暮れ、暗闇になる直前に河川の中に移動していきました。
私たちは、もう帰らねばなりません。
「真冬の川で、魚が捕れるのかしら?」
「ひょっとすると、今日はほとんど食べていないのかも」帰路に就く心の中は…。
 
そう、人間を「気になって仕方ない」ようにしてしまう原因は2つです。
1つは、コウノトリ自身から発せられます。
単独で行動するので1羽でいるのはあたりまえ、と言ってしまえばそうなのですが、
それに加えて、餌を捕るのに、あのどんくさいこと。
コウノトリが醸し出す孤独感と採餌の仕草、そして白と黒のコントラストが美しく凛々しいあの風貌。
弱さと強さと美しさをゴチャ混ぜに持っているが故に(人間なら「人間臭さ」と言うのかな?)
多くの人々を引き付けるのでしょうし、「いじらしい」気持ちにさせるのです。
 2つ目は、コウノトリは動物食で大食漢なのに、
これまでの環境破壊によって彼(彼女)のお腹を満たすだけの餌生物が
そこにいないことを観察者が知っているからです。
 
 気になって仕方なくなれば、次にとるべき行動は決まっています。
コウノトリを見続けること、餌生物のことを考えることです。
そして次には…。
 次の、さらにその次の行動へと必然的に進んでしまうのが、
「コウノトリ病」と単なるバードウオッチャーの違いです。
コウノトリ湿地ネットは、病にかかった者の集団です。


 
市役所でコウノトリ保護・まちづくりを担当していた頃、
市内の小学校から寄付の申し出が度々ありました。
そのお金のほとんどは、子どもたちが「コウノトリの餌代に」と、小遣いを貯めたものです。
正月明けには、
「自分たちはお年玉をもらったので、コウノトリにもお年玉をあげようと、その一部を出し合ってきた」
というのもありました。
児童会の役員が、
学校の玄関に立って寄付を募ったのだそうです。
 市では、もちろんありがたく頂戴し、飼育用の餌代は事業費として県から支出されていたので、
代わりにみんなに分かるような、たとえば普及啓発用の備品などを購入したものでした。
 
 毎年、数校から子どもたちの寄付が寄せられるうちに、
少しずつ、子どもからお金をもらうことに何か少し違和感を感じるようになってきました。
子どもたちは、「コウノトリのために」と、純粋な気持ちで集め、持参してくれているのですが・・・。
 
 ある日、五荘小学校から、
やはり子どもたちが寄付金を持参するので受け取ってほしい、との連絡がありました。
聞くと、今度は少し違うようです。子どもたちが廃品のアルミ缶を集め、
業者に売却した収益だそうです。
私はうれしくなって、「みんなが環境を良くしようと廃品を回収し、
働いて得たお金は尊いね」との感想を述べたことを覚えています。
本当は、「自分がゴミを捨てない、竹ぼうきで掃除する、
雑巾で拭くことも一生懸命にやること」ということも加えたかったけど、
みんなが真剣な顔で持って来てくれたので言いませんでした。
 
 「コウノトリのために」何か役に立つことをしたい。
今、自分たちに何ができるんだろう? 
子どもたちが一生懸命に考え、行動している姿に接することは、
とっても楽しいし、たくましく感じます。
飼育コウノトリが初めて繁殖して間もない頃、
餌代への寄付は「ともかくコウノトリに餌を十分に食べさせてやりたい」という
子どもたちの純粋な発想が出発点でした。
その後は、
環境を良くするために行動する
      ↓
田んぼに関心を持つ
      ↓
生きものを調査する
      ↓
自分たちでコメ作りにチャレンジする
      ↓
地域の環境や暮らしに目を向ける、
というように発展し、かつ様々な方向に広がっています。
 
 子どもの思考・行動パターンは、実は大人の私たちも全く同じです。
「給餌は是か非か」の議論など、まさにコウノトリへの愛情からでているのですから。